甘酒のはなし
急に寒い日が増え、温かい飲み物でホッと一息つきたい季節になりました。そこで、温かい飲み物の代表の一つである甘酒についてお話してみたいと思います。
甘酒は「飲む点滴」と言われています。
甘酒には米麴甘酒と酒粕甘酒があります。米と麴が発酵する過程でブドウ糖が生まれ、その優しい甘みがあるのが米麴甘酒。酒粕に砂糖で甘みを加えたものが酒粕甘酒です。「飲む点滴」と言われているのは、ブドウ糖を多く含む米麴甘酒です。
米麴甘酒は点滴の主成分であるブドウ糖のほか、ビタミン類やアミノ酸などの体に必要な栄養がバランス良く含まれています。ブドウ糖をエネルギーに変換するときに必要なビタミンB群や、体内で合成できない必須アミノ酸を全9種類含んでいるので疲労回復効果があり、美肌や美髪効果も期待できそうです。また食物繊維やオリゴ糖が含まれていることから、腸内の善玉菌を増やしますし、発酵食品の整腸作用もあるので毎日飲み続ければ便秘解消や、免疫力を高める効果も期待できます。
確かに、とても体に良さそうですね。しかし、甘酒だけ飲んでいれば健康でいられるかと言うとそうではありません。必須アミノ酸などは大豆や魚を食べたほうが多く取れますし、ビタミン類も野菜の方が多く含んでいます。
大切なことは飲み物の中で甘酒は栄養豊富で整腸効果もあるけれど、野菜やタンパク質などをきちんと食べる毎日の食生活があってこそだということです。
甘酒を…
朝飲むと、ブドウ糖で脳が目覚める。代謝がアップする。忙しい朝のエネルギーチャージにはもってこい。
夜飲むと、ビタミンB群やアミノ酸で疲労回復。GABA効果で安眠
食事をしっかり摂りながら飲むといいですね。
栄養豊富な甘酒は1杯(200㎖)あたり160kcalとエネルギーもほどほどにあります。間食は1日200kal以内にするのが目安ですから、他にもおやつを食べるようなら120㎖(約100kcal)以内にするのが良いですね。ちなみに糖質は100gあたり17.9g含まれます。これは牛乳の3.7倍です。
甘酒は体に良いいろいろな栄養素が含まれているのは確かですが飲みすぎには注意が必要です。他の食事とのバランスを見ながら量を調整し、上手に取り入れてください。心も体も温まりたいですね。